2017年12月1日
NASAの新型エンジン「X3」が最近実施した稼動試験で新記録を樹立
火星への有人飛行に用いられるかも知れない技術です。
X3はホール効果推進器の一種で、イオンストリームで船体を加速させる。
NASAによればその推進力は化学ロケットのそれを超えるという。
化学ロケットの限界速度は秒速5キロ程度だが、ホール効果推進器を用いれば、
秒速40キロまで加速させることができる。
イオン推進エンジンは化学ロケットより効率の点で優れており、同じだけの
宇宙飛行士と設備をずっと少ない燃料で遠くまで運ぶことができる。
最近実施された試験運転では、X3を100kW以上の出力で稼動して
54ニュートンの推進力を発生させることに成功した。
イオン推進器としてはこれまでの最高記録でまた最大出力と動作電流
の点でも新記録です。
現時点では制限もあり、従来のロケットと同レベルの加速に到達するには
非常に時間がかかるということで打ち上げには向かない。
十分なパワーを発揮させながらも本体をコンパクト保つことも問題です。
プラズマによる推進器のダメージを防ぐシールドシステムも開発中で
これが成功すれば耐用時間が大幅にのびて数年でも稼動できるように
なるかもしれない。
アニメのような宇宙旅行もそう遠くない将来に出来るかも知れない
夢のある新技術です。