カメットマメ知識第49回『ハステロイとは？』 | 関西オートメイション

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2017年3月10日

飛行機

ハステロイはニッケル合金の1種で、耐熱性・耐食性に優れており、アメリカの
ヘインズ社の商標です。一般的には耐食性が要求される圧力計のダイヤフラムや、
耐熱性が必要なジェットエンジンなどに使用されています。

ハステロイはニッケルを主成分とし、モリブデンやクロム、鉄など様々な金属を
含んでいます。これらの成分比率の違いから性質が異なる種類に分類されます。
以下に種類と特長をまとめます。

種類	特長	用途
ハステロイ C276	耐食性が高く、高温化でも腐食しにくい	パルプ・製紙工業、化学品精製、産業廃棄物工業など
ハステロイC22	耐食性が高い。特に局部腐食に対して強い耐性を持つ	化学プラント、焼却プラント、電解めっきなど
ハステロイB	塩酸に対して強い耐食性を持つ。硫酸、リン酸、フッ酸、酢酸などにも強い	石油化学関係、熱交換器、硫酸製造設備など
ハステロイB2	ハステロイBの改良版。溶接部の耐食性が優れている	石油化学関係、熱交換器、硫酸製造設備など
ハステロイX	高温環境での強度向上や耐酸化性、加工性に優れている。石油化学の分野で、応力腐食割れに強い。	ガスタービンエンジンや工業炉、化学品精製など

ハステロイは加工硬化しやすく工具材料との親和性が高いため、非常に削りにくい
材料です。ハステロイの加工に関しては以下のような難点があります。

また、以下の被削性指数の数値からもハステロイが難削材であることがわかります。