チタンとは?
チタンはTiの元素記号で表される金属で、1790年にイギリスの海岸で新たな金属元素
として発見され、5年後にドイツで鉱石中からチタン元素を見出しました。
他の金属に比べて軽量・高強度・耐食性に優れるなど、多くのメリットを持ち、 宇宙・
航空機用材料から各種プラント設備、建築材料、 身近な生活用品に至るまで、幅広い
分野で使用されています。
チタンの特徴
メリット
- 高強度
重さあたりでは、アルミニウムの約3倍、鉄の約2倍の強度です。
ステンレスと比べても比重に対する強度ではチタンの方が勝っており、
質量を軽くすることができます。
また、強い金属だけでなく、バネのようにもどる力(スプリングバック)も
鉄の2倍近くあり、曲げても戻る性質のある金属です。
熱にも強く、溶解温度は、鉄が約1530度、銅が約1080度、アルミが約660度
であるのに比べ、チタンは約1660度と鉄よりも強いのです。
- 高耐食性
海水に強く、海水耐食性は白金(プラチナ)に匹敵、他の主要金属より優れています。
チタン(Ti)>白金(Pt)>ステンレス(SUS)>鉄(Fe)
- 軽量
比重が4.51で鉄の約60%、銅の約1/2の軽さです。
- 人体に無害
金属アレルギーなど人体にやさしい安全な金属です。人工骨、インプラント部品、
心臓ペースメーカー、補装具、マイクロサージなどに使われています。
デメリット
- 高価格
チタンはステンレスに比べ重量比で約10倍近くの価格差があリます。
- 難削材
チタンは熱伝導率が低いことから、切削時の熱が工具に蓄積し、切刃に大きな
応力がかかるため、工具が摩耗したり、破損しやすいです。