2021年6月11日
各産業においても多用されているアルミニウム合金ですが、
弊社製品の筐体としても使用されています。
アルミニウム合金はアルミニウムを主成分とし、
銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケルなどと合金することで
強度などの特性を向上させています。
・比重が軽い
・加工性が高い
・酸化被膜により耐食性が高い
・電気や熱を通しやすい
・再生が容易でリサイクル性に優れている
弊社製品の筐体は「アルミ鋳物」という製法で製作しています。
アルミ鋳物は「鋳造」と「ダイカスト」の2種類に分類されます。
それぞれの製法で使用されるアルミニウム合金には以下のような種類があります。
材質 | 特徴 |
AC1B (Al–Cu–Mg 系) |
強靭性に優れており、切削性がよく、電気伝導性に 優れています。架線用部品、自転車用部品、航空機用油圧部品 などに使用されています。 |
AC2A、AC2B (Al–Cu–Si 系) |
強靭性を犠牲にして、ケイ素を添加することで鋳造性を 向上しています。自動車用エンジン部品でよく 使用されています。 |
AC3A (Al–Si 系) |
ケイ素だけを添加したもので鋳造性に優れています。 強度は高くないが伸びが良く、熱膨張が小さく、耐食性が良い。 |
AC4A・AC4C・AC4CH (Al–Si–Mg 系) |
AC3Aよりケイ素を減らして、マグネシウムを少し添加したもの。 優れた鋳造性を維持し、機械的性質を向上しています。 |
AC4B (Al–Si–Cu 系) |
AC3Aよりケイ素を減らして、銅を少し添加したもの。 鋳造性に優れ強度も高い。一般用として自動車用、電気機器用、 産業機械用部品など幅広く使用されています。 |
AC4D (Al–Si–Cu–Mg 系) |
AC4Cのケイ素を少し減らして、銅を添加したもの。 鋳造の引け特性に優れているため、耐圧性、耐熱性があり、 シリンダーなどのエンジン部品や油圧機器部品などに 使われています。 |
AC5A (Al–Cu–Ni–Mg 系) |
高温でも硬さを維持するために改善されたもの。 耐食性に劣るが、切削性と耐摩耗性に優れています。 |
AC7A (Al–Mg 系) |
代表的な耐食性合金。強度と伸びが良く、切削性に優れて います。架線金具、船舶部品、建築金具などに使われています。 |
AC8A・AC8B・AC8C (Al–Si-Ni–Cu–Mg 系) AC5Aの銅を半減させ、ケイ素の添加量を大幅に増加させ、 |
熱膨張係数を小さくし、耐摩耗性を高めた剛性の高いもの。 |
AC9A・AC9B (Al–Si–Cu–Mg–Ni 系) |
AC8系からさらにケイ素の添加量を増やし、 熱膨張係数を小さくし、耐摩耗性を高めた剛性の高いもの。 |
材質 | 特徴 |
ADC1 (Al-Si系) |
耐食性が良く、鋳造性も高いが、耐力はやや低い。 |
ADC3 (Al-Si-Mg系) |
高い衝撃強さと耐食性が良いが、鋳造性に劣る。 |
ADC5 (Al-Mg系) |
耐食性に非常に優れ、高い伸びと衝撃強さを備えているが、 鋳造性に劣る。 |
ADC10、ADC12 (Al-Si-Cu系) |
機械的性質と鋳造性に優れている。 ADC10は被削性にも優れている。 どちらもアルミニウム製品によく使われる。 |
ADC14 (Al-Si-Cu-Mg系) |
耐摩耗性に優れているが、伸び、衝撃性に劣る。 |
弊社製品の筐体では、アルミ鋳物では「AC4B」「AC7A」、
アルミダイカストでは「AC12」が使われています。